「すごい心理学」レヴュー

筆者の私は、大学のころから心理学という学問が好きでした。他の教科の成績は「良」か、または、「可」がほとんどだったのですが、「心理学」だけは、魅力的な教授学問への興味がシンクロし、「優」だったことをよく覚えています。

その後、社会人になって「心理学」的な本に数冊で出会い、それは、それで楽しむことができました。しかし、この本のようにわかりやすく楽しいいものはありませんでした。読み始めると、時間の経過を忘れ一気に読破しまつたのです。読みながら「なるほど。」「そうだったのか。」と独り言や相槌をうちながら目からたくさんの鱗が落ちたのです。

それでは、この本で「おもしろい。」と思ったエピソード5つ紹介しましょう。

そのビール本当においしいの?

価格の高いビールが本当においしいのか?

「心の不思議」の章では、主に人間の思い込みについて書かれていました。特に興味をそそられたのは、「ビールのおしさ」についてです。

お金で購入する全てのものに言えますが、「安い」ものよりも「高い」ものの方が、品質が良いと言えるでしょう。特に、食べ物・飲み物については価格とおいしさが比例するはずです。

ここではビールの価格とおいしさの関係をさぐる実験が紹介されていました。私はとりわけアルコールが好きな人間ではありませんが、キリン・アサヒ・えびす・ハイネケン・バドワイザーなどの有名メーカのビールは一応飲んだことがあります。その中で、一番おいしいと思ったのは、バドワイザーです。

私の配偶者はアルコールが大好きで、お酒に関しては私よりも経験と知識が豊富です。彼女は、数あるビールの中ではキリンが一番おいしいと言い、バドワイザーはまずいと言います。

軽い口当たりのバドワイザーは、辛口のキリンと比べると飲んだ気がしないそうです。

各ビール会社の銘柄やグレードにより、開発費や宣伝費などの関係から価格設定がされます。いわゆる「おいしい」と言われるものほど高価格のようです。実験は次のようなものでした。

ビール愛飲者ばかり60名集め3種類のビールを飲ませました。Aは1.3ドル、は1.2ドル、Cは0.99ドルです。そして、中身は全部同じ銘柄です。

被験者に価格は知らせ、銘柄は伏せます。そして、どのビールが一番おいしかったのか問いました。そうすると、一番価格が高いビールが一番おいしいという評価が多いという結果になったのです。

このエピソードから「高い=品質が良い=おいしい(うまい)」というのは、人間の思い込みによりるものが大きいと考えられます。このようなことは、日常生活でもたくさんあるのではないでしょうか。

女性が使う化粧品は、安いものよりも、ある程度高い方が売れるようです。「高価な化粧品の方が、美しくなれる。」と思っている人が多いのかもしれません。

そんなことはないとは思いますが、肌に対して優しいとか刺激が少ないというのはあるでしょう。

「三ツ星店の料理はおいしいはず。」や「富士山の天然水はおししくて体にいいはず。」や「〇〇〇の浄水器は、医療機関で使われているから、高価格だけど健康になるはずだ。」など、世間には人に思い込ませるための宣伝文句がたくさんあります。

このエピソードでは、人の思い込みにより味が変わることがあるということをことを教えてくれています。

買い物の際は、科学的な根拠を調べることで自分の思い込みを解き放ち、しっかり吟味して費用対効果が高いものを購入したいものですね。

満月の神秘

月の影響は潮汐力だけではない

月は地球にとってなくてはならない存在です。月がなければ生命は誕生しなかったと言われています。

月のおかげで、海水は今の状態を保ち、安定させることができ、地軸の傾きも常に23.4度に保たれています。さらに、自分の体を犠牲にして、たくさの隕石の襲来から地球を守っています。

このように月は地球に多くの恩恵を与えてくれています。あるTV番組は、月は地球から1年間に約4㎝ずつ遠ざかっているということを伝えていました。あまり遠くに行かずに、いつまでも今の場所で地球を守ってほしいと思います。

その大切な月には、満月や新月の状態があります。

新月の日に切り取った木材は、とても丈夫で長持ちするようです。新月の木は、「燃えにくい。」 「カビに強い。」「腐食に強い。」「害虫に強い。」「割れ・くるいが生じにくい。」と言われています。

世界最古の木造建築「法隆寺」も新月の日に切った木を使っているそうです。

木だけではなく、人間も新月に新しいことに挑戦するといいそうです。ものごとを始めるスタートによいのです。自分を成長させるためや、気になる人を誘って仲良くなるたっめのきっかけにするのもよいようです。

その反対に満月にも不思議な力があるようです。満月の日には、サンゴやウミガメなどが産卵することが知られています。ヒトも動物ほどではありませんが、お産の確率が少しだけ高くなるようです。

ここでのエピソードでは、フルムーン(満月)効果について紹介していました。その効果はあまりよいものではありません。

例えは、満月の日には、強盗や暴行などの犯罪が増えているということがありました。

あの「パリ人肉事件」「深川通り魔事件」などは満月の日に起きています。

その上、交通事故も増加しています。満月の神々しい月の姿は、我々人間に幸せをもたらせてくれるような美しい姿ですが、幸せよりも災いの方が発生しやすいというのは、なんとも皮肉なものです。

このエピソードからすると、満月の夜は行動に十分注意しなければならないと思います。満月の日はあまり外出しない方がいいかもしれません。

懸命な読者の方々は十分に注意して過ごしされるはずです。その日は、狼男に出会う確率が高いし、なんといっても犯罪・事件・事故等に巻き込まれる可能性が高い特別な日なのですから。

仕事中以外でも忙しい日本

時間に正確なことはいいが…

読者の方の職場に「働き方改革は浸透している」のでしょうか。私の職場では言葉だけはスローガンのように浸透していますが、肝心の仕事量は増え、昨年よりも一層忙しくなっているのが現状です。

私の知り合いの職場などでは、やることは変わらない、あるいは、増えているにもかかわらず以前より時間を減らされ、とても忙しくなっているそうです。

どこの業界でも本質的な忙しさは改善されていないのではないでしょうか。

それは、時間ばかり気にして、仕事の内容を精選していないから多忙感が高まっているのです。しかし、このエピソードでは、時間を守る日本人のよいところが紹介さされていました。

主に‘‘生活ベース‘‘につてい書かれています。ある3つの‘‘生活ベース‘‘を基準として測定します。それは、

①空いている歩道で、100フィートを歩く人の速さ

②銀行の壁にかけれた時計の時刻の性格さ

③郵便局で5ドル相当の切手を頼んで出ていく時間

等です。

この3つのデータを集め、検証してみると一番は日本だったそうです。

①の歩くスピードなんかは、首都圏、特に駅の周辺では、移動する人はかなりの速足で歩いています。日本人はとにかく移動の時間を短縮しようとします。

旅行でも移動の時間を短くし、現地で観光する時間をできるだけ長い時間確保しようとします。旅行の移動時間を楽しむ人は、ごくわずかではないでしょうか。そのせっかちな性格は、根っからの国民性なのでしょう。

②などは、当たり前と言えば当たりまえのことだと思います。しかし、他国では少しぐらい時間がずれいていても気にしないということです。

これは海外旅行にいったことがある人なら、時間を気にせずのんびりと来る電車やバスを見たことがあるのではないでしょうか。

もし、日本の銀行内の時計が、くるっていたなら、間違いなく信用を失墜します。日本の銀行なら絶対にあってはならないこととです。

③の手際の良さは、郵便局だけではないと思います。例えばドラッグストアやコンビニ、さらには居酒屋でもできるだけ客を待たさないような心遣いと工夫がされています。

客として3人目にレジに並んでいても、その少し並んだ列に気づいた店員が「こちらへどうぞ」と声をかけて、待ち時間を解消してくれます。その心遣いは客としてたいへんありがたいものです。

我々日本人は、このようなサービスやペースがスタンダードになっているので、海外に行ったときには、どの国もゆったりしている感じます。

しかし、‘‘生活ベース‘最高の国に住んでいるのですから、ゆったりと構え、楽しい海外旅行にしたいものです。

仕事の業務もあくせくせず、ゆったりできるのであれば、働き方改革もうまくいくのではないでしょうか。

笑顔を見るのはストレスフリー、笑顔をするのは、超ストレス

笑顔の裏にはストレスが

日本では、サービス業に従する人は笑顔で客に接することが当たり前になっています。それが普通だといように我々は受け止めています。

しかし、そうではない国も世界では存在します。海外旅行では、仏頂面のサービス業の従業員に遭遇することがまれにあるかもしれません。

フランスのサービス業界では、客に対して「笑顔で接しなければならない」という決まりがないそうです。ですから、仏頂面のウエイトレスやキャビンアテンダントも多く存在します。しかし、日本で同じように笑顔なしで振舞ったら、雇い主や上司から「笑顔を常に絶やさないこと!」と指導をされることでしょう。

私は、このエピソードを読むまでは、笑顔の人がこれほどまでストレスを感じているとは知りませんでした。お笑い芸人やアイドルも常に笑顔で愛嬌を振りまいています。その笑顔の裏には相当なストレスがかかっているはずです。

笑顔が売りの芸能人達に対して少し同情しました。そして、これからは、笑顔を絶やさずに頑張っている人に敬意を表していきたいとも思いました。

祈りの効果はどれくらい?

祈りは人を幸せにする?

みなさんは、神に祈ることはありますか。筆者は神社に散歩に行ったついでに祈る程度です。特定の宗教の敬虔な信者ではないのでそれほどまで真剣に祈ったことはありません。祈りは、果たして人を幸せにすることができるのでしょうか?

このエピソードでは、祈ることによって、健康になったり、寿命が延びたりすることがあるかを真剣に研究したことが書かれていました。

研究者は、一つの仮説を立てます。「聖職者は、、きっと寿命が長いはず。」です。

聖職者は祈る時間が多いし、他の人よりも熱心に祈るはずだからだそうです。そして、世界中の多くの聖職者の人生を調べました。結果はというと、仮説と全く異なったものになったそうです。

聖職者は、ストレスが多いと思われる医師や弁護士よりもずっと寿命が短かったそうです。

この結果から考えると、「長生き=幸せ」だと思う人は、あまり熱心に祈らない方がいいと思います。しかし、「太く短く充実した人生を送すこと=幸せ」と思える人は、毎日熱心に祈りをささげるといいのかもしれません。

いずれにせよ、筆者の私は、祈っても現状はっているので、安心しました。神に熱心に祈らなくても、規則正しい生活をしていれば、十分に長生きができるという自分の考えに確信がもてたからです。

決して、宗教を否定するわけではありませんが、熱心に祈っても長生きできるわけではないということを心にとめ、これからも神社にお参りに行きたいと思います。

しかし、聖職者があまり長生きできないとのは、医者や弁護士などよりもさらにストレスを抱えているのでしょう。自分のことよりも他人のために祈るという行為は、ストレスが大きい行為なのかもしれません。

私は、ストレスにならないくらいに自分や家族のために祈りをささげていきたいと思います。

そして、何よりも、世界的に広がった新型コロナウイルスの早期の収束についても祈ることを心がけていきたいと思います。

以上のようにこの本は、非常に興味をそそられるエピソードがちりばめられていました。この、記事をご覧になった読者の方、是非、一読することをお勧めします。

私は、さらにブラッシュアップされた続編、「もっとすごい心理学]を読み、知的好奇心を満足させようと考えています。

次回作でお会いしましょう。